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第7話 朝霧栞を迎えに来た③

Penulis: 花柳響
last update Tanggal publikasi: 2026-06-18 18:06:40
 自分の声が掠れた。

 律は慰めなかった。ただ、封筒を持つ私の手が落ちないように見ていた。

 隆一が口を開く。

「栞、いや、朝霧。お前は誤解してる。こちらも……苦渋の判断で――」

 隆一は言葉を探すように、小卓の上の封筒へ目を落とした。

「苦渋の判断で、人は二度も売れるんですね」

「恩があるだろう、という顔をしないでください。恩を盾にされるくらいなら、最初から家族なんて呼ばれたくなかった」

 広間が低く沈んだ。

 琴美が息を呑む。隆一の顔から、経営者の整った色が少しだけ剥がれた。

 言い過ぎたかもしれない。

 でも、取り消せなかった。

 誰かが小声で「本当に絶縁していたのか」と言った。

 その声に、別の誰かが「では如月家は何を披露しているんだ」と返す。

 囁きはすぐに消えた。けれど、消えた場所には、もう昨日までの私だけが悪いという空気は残っていなかった。

 琴美が、何かを言いかけて私を見た。

 唇だけが「栞ちゃん」の形になる。けれど声は出ない。

 その黙り方を、私は三年前にも見た。泣きそうな顔で、でも何も決めない人の黙り方。

 胸の奥にまだ柔らかい部
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